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 「みなさんこんばんは。
 統括部長フッキーです。 

 台風が過ぎ去り、暖かくなったと思いきや、夜は冷えてきましたね。 

 さて、今日から新たな連載を開始します。その名も 『ムッシュのヒツジーランド奮闘記』

 そう、我が社の社長であるムッシュの若き日の紀行記を紹介するものです。

 まあ、当社のスタッフは、旅好きが多いのですが、その中でも当社の社長はまた一味違った経験の持ち主であります。

 それでは、社長に登場していただきましょう。社長!」


 「どうも、お久しぶりじゃ。社長のムッシュです。  

 さて、今回私ごとで申し訳ないのじゃが、ニュージーランドの紀行記を連載する運びとなりました。南半球にある羊の国での生活を通じ、少しでもこの国に関心を抱いていただければと思う次第じゃ。 

 それでは、これから長くなると思うんじゃがよろしくお願いします。

 それでは、第一話『NICE TO MEET YOU』からスタートじゃ」 



 ★ 第一話 『NICE TO MEET YOU』


 かれこれ着陸態勢に入ってどのくらい経ったのだろう。

 雲海漂う窓辺には、太陽の光を受けてか幾分明るい世界へと変わりつつあった。 

 時より雲の隙間から地上の楽園と思しき、緑の世界が顔を覗かせる。乗客の誰もが、窓際に視線を泳がしている。 
 

 DSCF0003.jpg



 やがて、両側に張り出した主翼から大きな機械音がジリジリと機内にまで響き渡る。<いよいよ着陸やな> 

 このシンガポールを飛び立ったSQ902便は、もうすでに10時間以上にも及び、浪漫飛行を続けている。 

 途中、乱気流に見舞われ、誰もが右往左往する場面が発生したが、視界の開けた今では、期待に夢を抱く乗客たちが、恵比須顔で佇んでいる。 

 一方、黙座する面々の表情は、見事と思えるほど草臥れた顔色で染め上げられている。乗客それぞれの行動を観察している間にも、高度はどんどん下がっていった。

 その後、機内放送が入り、おのおの最後の緊張感を漂わすかのごとく、シートベルトを慎重に締め、最終着陸態勢に取り掛かっていった。 

 さらに、高度はどんどん下がり、機体が直線降下態勢に入った。

 まもなく、着陸と同時に“ワァー”と歓声が起こった。その後、拍手が機内にこだまする。<やっとやで> 

 多国籍の乗客を乗せたシンガポール機は、到着予定時間をかなりオーバーしている。<待ってるやろか?まあ~何とかなるやろう>


 DSCF0004.jpg

 

 さて、いよいよ日本から遥か彼方の地南島クライストチャーチに無事辿り着きました。めでたしめでたし。 

 眼前のゲートを抜ければ、そこはもう異国。<ゴ~~ル!いや、これはスタートゲートじゃないか>まさに、そうであります。旅行に来たのではありません。まずは、彼女を捜さないと―。

 待ち合わせ場所のゲート出口で一人キョロキョロしていると、赤毛のアンならぬ赤毛のおばちアンが近づいてきた。<アッ!写真でみたよ> 

 「テチュヤ?」<ちょっと発音がおかしいで>

 「イエス!」

 「アイム キウィー、はじめまして」

 「こちらこそ、はじめまして」

 「じゃあ、ついてきて」

 「OK!」

 オイラは、彼女の向かう方向に大きなスーツケースを引きずって行った。 

 彼女は、今後お世話になるキウィー(ニュージーランド人のこと)の中のキウィーである。丸々とした大きな身体を左右に揺らしながら、亀のようにゆっくり歩いていく。

 我々は、駐車場の一角に停車してあった真っ赤なバンに乗り込んだ。赤毛に赤車である。<クククッ>

 いよいよ空港を離れたバンは、山口百恵ではないが、真っ赤なバンが緑の中を走り抜けてく。 

 ブレーキを駆ける事のないほど空いた公道を走る車窓からは、新緑に満ちた木々の傍らに、小じんまりとした家屋が点在している。  

 そして、抜けるような青空には、時より低い雲が顔を覗かせ、歓迎してくれているように見えてしまう。 

 車内に巻き上がる風は、真夏にもかかわらず、肌に心地良く触れ合い、ラジオのサウンドと溶け合う。いかにも澄んだ空気を全面に浴びているといった感覚である。<むっちゃ爽快やんけ。ほんとは、ここがプリンスエドワード島ちゃうんかいなあ> 

 「テチュヤ、疲れてない?」

 「少し」

 「まず、市内を案内するね」

 「OK!」

 市内に向かうまでの間、我々は自己紹介を兼ねた会話で時間を費やす。しかし、生身の英語の発音になかなかついていけない感じ。確かに、キーウィー・イングリッシュは訛りがあるとは聴いていたが、このことなのだろうか。<難解やあ~>

 そうこうしているうちに市内に到着。街の様子は、花模様をあしらった楽天地のようで、水と緑と空が一番街の中で幅を利かせている。<綺麗やんかあ~> 

 目抜き通りの脇には、何かのイベントがあるのか、カラフルに彩られたフラッグが、微風に棚引いている。<なんか、色鮮やかに飾り付けられた大きなクリスマスツリーの中に紛れ込んだみたいや>

 ニ人を乗せたバンは、中心部を一回りして、再度郊外へと向かう。そして、約20分足らずで、芝生の美しさが庭に広がっている一軒の平屋の前に停車した。 

 白塗りの壁に青のレンガ屋根。その屋根からは、煙突がひょっこりと顔を覗かせ、実に可愛らしい。 

 ホストハウスは、広い空の視界の下、清閑の地に満ちていた。<落ち着きのある佇まいやなあ>

 「さあ、着いたよ。ここがわたしんち。さあ、入って、入って」

 「それじゃあ、お邪魔します」

 案内されたリビングには、暖炉と大型のブラウン管がそれぞれ対比していた。ブラウン管の左壁には、大きな家族写真が飾られていて、家族の絆の深さが伺える。室内は、もちろん、土足だ。 

 
 DSCF0007.jpg
 


 彼女は、リビングを抜けて廊下の庭に面した一室に私を案内した。どうもここが今日からの私の住みかのようだ。

 室内は、夏の日差しが庭窓から差し込み、明るい部屋を映し出している。壁際には、大人二人分のベッドが鎮座している。その他には、机と小さな化粧台が配置されているが、最近まで、使用された形跡がどうもないようだ。<もったいないな>

 DSCF0010.jpg

 

 オイラは、荷物を部屋に置くなり、リビングに戻った。そして、彼女との談笑に取り掛かった。
だが、疲労が激しかったので、まもなく仮眠を取ることにした。<意外に疲れてる。ここはひとまず休息や> 

 やがて、目を覚ましたころ、すでに日はどっぶりと暮れていた。<今何時やろ。まあ、とにかく顔だそか> 

 オイラは、再度リビングに赴き、彼女と談笑をするがやはり聴き取りにくいし、わからない単語が目白押し。しかも遠慮がない。辞書を片手に、逐一ページを開き、悪戦苦闘の連続だ。<こんな作業、むちゃくちゃしんどいやんけ> 

 そして、もうすぐ九時になるというのに、夕飯を準備する気配がまったくない。どうなっているのだろう。食事付きのはずなのに…。<これから先が心配や>

 しばらくすると、筋肉質の体にアゴヒゲを蓄えたスキンヘッドの男が、玄関からリビングに入ってきた。強面だ。<なんやこいつは、やばいぞ> 

 「ハイ!アイム ダニエル、キーウィズ サン」<ゲゲゲッ!>

 彼女の息子と発するダニエルの手元には、ピザハットと書かれた四角い箱とビニール袋が見える。たしかにポロシャツの服装にも、お馴染みのロゴが入っている。おもむろに、袋の中から缶ビールを取り出し、夕飯が始まった。<なるほど、今日はピザか> 

 その後、それぞれの自己紹介などを交えて、零時ごろまで談笑した。

 しかし、彼に会ったときから、気がかりなことが一つあった。確か資料では、ダニエルは3歳の子供のはずなのに…。<どないなってんねん。まあいいっか> 



 「はい、フッキーの再登場です。みなさん、第一話はいかがでしたか?
 
 さあ、異国の地に着いた社長が、なんと強面のいる家に居候となりました。これからどんな生活が待っているんでしょうかね。それでは、次回までお楽しみに。

 最後に、今回ニュージーランドの話題が出ましたので、ニュージー出身で一番有名な歌手と言えば、ソプラノ歌手キリテ・カナワ。クラシックが続きますが、こちらをご覧頂いてお別れです。それでは、この名曲を聴いて、いい夢をご覧くださいませ。フッキーでした。イノーラ!

  歌劇『ジャンニ・スキッキ』より私のお父さん
 




 
 ※ なお、当社の概要については、2007年9月28日の報告をご覧下さいませ。

 
 
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05.21 (Wed) 00:54 [ 未分類 ] CM0. TB0. TOP▲
  
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