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 「みなさんこんばんは。
 統括部長フッキーです。 

 
 やあ、今日はむちゃくちゃ暑かったですね。  

 本日、久々にボーリングをしてきました。 

 もう何年かぶりだったので、100いかねえ~。 

 しかし、第二ゲームから調子が出てきて、なんとか本来の調子を取り戻し、満足のいくスコアーを出せることができました。

 やったぜ~ 


 
 さて、本日は、 『ムッシュのヒツジーランド奮闘記』第6話になります。 

 ニュージーランドという国がどんな国なのか、いろいろと見えてくるのではないでしょうか。

 ~これまでのあらすじ~

 ニュージーランドに旅立った我が社の社長フッキー。

 いよいよ始まった学校生活。しかし、社長ムッシュ、体調が優れないようですが、週末になりました。さあ、どんな時間が待っているのでしょうか。それではどうぞ」 




 ★ 第6話 『的屋家業』


 本日は、休日の土曜日。 

 午後から、ダニエルといっしょに庭の芝刈りに勤しむこととなった。

 小さいながらも、各家庭に緑の絨毯が広がっているのが、ニュージースタイル。 

 やはり“ガーデニングシティー”と言われるだけあり、庭先の手入れに余念がない。時より、目を見張る庭が存在する。

 Dscf1008.jpg


 それはもう百花繚乱の趣さえあり、実に凝っている家庭を見ることが出来る。<お金かかってしゃあないやろな。でも一種のステイタスなんやろ>  

 その間、ホストマザーは玄関口に止めてある赤バンにせっせと何やらに大掛かりな荷物を運び込んでいるではないか。<いったい何してるんやろ?> 

 「ヘイ!何してんの?手伝おっか?」

 「イエス!」

 そのバンに積まれていくものを紹介しよう。小ぶりのプロパンガスクーラーボックス、大きなトレー。それに、食パンソーセージケチャップたまねぎなど。<これからキャンプにでも行くんかなあ?>

 「ダニエル、これから何処行くの?」 

 「ラグビーゲームさ」<ラグビーの試合?なんでこんな荷物がいんねん。観客席が芝生になっていて、そこでピクニックでもやるつもりなんかなあ。それはそれで楽しみやなあ>

 「テチュヤ、行くわよ!」

 「あいよ」 

 オイラは後部座席の隅に飛び乗り、思案顔のままシートに腰を預けた。 

 そして、さらに荷物を運び込むと、車両は重い荷物を感じさせない勢いで、空いた沿道をまっすぐ疾走した。

 DSCF0074.jpg

 
 途中、学校近くのとある民家に立ち寄った。そこは、ほんとに目と鼻の先に校舎が見える場所だ。
 
 玄関から突如出てきたのが、なんと生徒のひとりツリーだ。

 「ハロー!テツヤ」  

 「ハロー!ツリー」
 
 「ここおまえんち?」

 「そうよ」

 「むちゃくちゃ学校から近いなあ」<どうりで彼は歩いて帰るわけだ>

 「ああ、それで、ツリー、これから何処行くの?」

 「ラグビーゲーム」
 
 「ほんとに?」
 
 「イエス!」

 オイラの座っている後部座席にも、少し荷物が積まれていたが、何とか残りのスペースにツリーと彼の弟が座ることができた。

 この彼の名を覚えていたのは、その特徴ある容姿のおかげである。大きな耳に大きな円らな目。真っ黒な頭は、坊主狩り。まるでプロゴルファー猿を思わせる風貌になぜか親近感を抱いていたのだ。 

 さらに彼は、初日からよくオイラに声をかけてきた一人でもあった。
 
 彼らの両親たちはというと、別のバンで車道に乗り出してきた。赤バンが先頭で、いよいよ二台の車がスタジアムに向かった。

 そして、5分もすると円形の大きな鉄骨が左車窓の前方から見えてきた。<あれ?ここは、学校からむっちゃ近いやんけ!)

 「ツリー。あれがスタジアム?」 

 「イエス!ジェイドスタジアムだよ」<ほお~意外にでかいな。学校から歩いて5分もかからない場所にあるなんてビックリやわ>

 重い荷物を詰め込んだ赤バンは、スタジアム近くの狭い車道から、とある建物の一角の駐車スペースらしき場所に停止した。
<こんな所に止めてええの?球場専用の駐車場ないのかなあ。それともけちってるんかなあ> 

 赤毛のオバチアンは、何食わぬ顔して荷物を早速運び出そうとしている。

 ちょうど、歩道に面した一角にそれらが置かれていく。<おいおい。なんでこんな場所に置いてくねん。スタジアムの外やで>

 さらに子供達も加わり、どんどん荷物を運び出す。そして、それらが次々に組み立てられていくと、次第に全貌が明らかになってきた。<なんや!屋台開きやんか。こりゃ面白いわ。でもなんでこんなことするんやろ?>

 ちょっとしたこの疑問を思い切ってマザーに聞いてみた。

 「キウィー!何でこんな副業みたいなことするの?」

 少し間を置き、彼女は重い口を開いた。

 「実はねえ、学校のためなの」

 「学校?」

 「そう。小さい当学校は、生徒数が少ないばかりでなく、予算も少ないの。だから、この屋台で稼いだお金を学校で使う資金に当てているのよ」 

 「なるほどね。そっか。じゃあ俺たくさん売ってやるからさ」 
 
 「頼んだわよ」
 
 「任してや!」 

 確かに当校は、かつて私が日本で過ごした幼稚園ほどの敷地面積しかない。 

 さらに、古びた木造校舎には、ペンキの剥げ後が何度も何度も塗りなおした跡が窺える。生徒数も20人弱なら、職員も彼女を入れても5人以下であろう。

 先生については、彼女一人。普通からすると、かなり寂れた学校に映るかもしれない。

 しかし、逆にそれだけ生徒達と密に接することができ、さまざまな教育指導がやりやすいはずである。<この小さな学校でよかったかもね> 

 まもなく、開店準備が済むと、まずは腹ごしらえ。 

 学習机ほどの幅の鉄板に油が塗られていく。そこに、スライスした玉ねぎを炒めていく。そして、次にソーセージを焼いていく。

 それぞれがいい焼き加減になったところで、そいつを厚さ一センチサイズの食パンに挟み、ケチャップ叉は、マスタードをかけて、出来上がり。ニュージー式屋台ホットドックサンドである。実に簡単。 
 
 「テチュヤ。食べて。ケチャップとマスタードあるから好きなのを付けて」
 
 「ありがと。じゃあ両方」

 「どう?」

 「おいしいよ。シンプル・イズ・ベスト!

 “ワッハッハッハッハッ!!” 
  
 何故かこの言葉がうけた。皆、満面の笑みを浮かべている。<二家族に及ぶ、質素な食事が何故こんなに美味しく、しかも楽しく感じるんやろ>
 
 そののどかな時間の間にも、少しずつスタジアムの入り口に向かう人々が出没し、店頭を横切っていく。そして、食べ終わったものから、商売をはじめていく。

 「ソーセージ2ドル!」 

 「ソーセージ2ドル!」
 
 「安くて美味しい、ソーセージ2ドル!」

 やがて、我々が美味しそうに食べている姿を見たお客が、少しずつ店先で足を止めていくではないか。<けっこう簡単な商売やん> 

 だが、周辺をよく見てみると、同じようなソーセージ売りを右手方向に発見してしまった。<みんな考えること一緒かよ>

 さて、試合開始時間の一時間前にもなると、歩道にはスタジアムに向かう群集で溢れてきた。

 ラフな普段着姿の人もいれば、フラッグを振り上げ、顔にチームカラーを塗りつけるファンもいる。彼らにとって、ラグビーゲームは、日本の野球以上の情熱と興奮満ちた一種のお祭なのであろう。
 
 そうこうするうちに、人の波の大きさと共にソーセージがどんどん売れていく。<この商売でほんま当てよかなあ>
 
 まもなく試合が始まるころ、ダニエルと一緒にスタジアム方向に向かうこととなった。<これから試合見に行くのか>

 オイラは、球場の入り口に向かうかと思われたが、着いたところは、スタジアムスタンドの隙間から少しだけ中が覗けるとある場所。

 DSCF0077.jpg


 「ダニエル、何処と何処が対戦してるの?」
 
 「ここチャーチを本拠地に置くクルセイダースと南部ダニディンハイランダースだよ。赤と黒の二色のユニホームがクルセイダースなんだ」<どうりでこのユニホーム姿の人見かけるわけや。赤と黒やから、スタンダール・カラーと覚えとこ> 

 我々二人は、20分程その隙間で観戦した後、店先に戻った。

 そして、皆と共にクルマに取り付けられたラジオから戦況に耳をすましていた。

 DSCF0087.jpg


 結果は、地元のクルセーダースの勝利。

 “ウォーーーーーーーー” 

 その瞬間、オイラの回りは、まるで子供みたいにはしゃぐおのおのの姿があった。<何てわかりやすい人たちなの>

 一方、その終了の合図とともに、今度は逆方向に人が流れ出した。一様、店は開けているが、さすがの帰り道では、そんなに売れない。それよりも、勝利の歓喜で、周辺一体が騒がしく、商売どころではない。

 わが店員がその群れに声をかけて、コミュニケーションするあたり、欧米人のコミュニケーション能力(実は能力でなく、自然と身につく環境である)が観察できる。こちらまで、陽気で楽しくなってくるのだ。 
 
 なんだかんだで、9時過ぎに家に戻った。

 「テチュヤ、カモン」<えっ、何>

 部屋に行こうとしていたオイラをマザーが呼び止めた。

 そして、マザーがリビングのテレビを指差す。

 「ラグビーの試合?」 

 「イエス」

 「試合は、生中継じゃないの?」
 
「生中継が終了した後、別のチャンネルでまた見られるのよ」<ということは、二度連続見ることも可能なわけか。おいおい!ほんまラグビー好きやなあ> 
 
 マザーは、居間の中央にあるソファーに重い尻を預けた。そして、その隣にオイラも安座した。

 彼女は、ブラウン管を食い入るように見ている。そして、時より奇声を発したりする。<おいおい、出るよ。喜怒哀楽が激しいでんな。そんなに夢中になるものかなあ。結果知っているのに…>

 一方、ダニエルは窓辺にある小さな卓上のテーブル椅子に腰掛け、静かに遠巻きから視線をテレビに向けている。

 いつしか、少しおとなし目に画面を見据えたダニエルが、オイラの左肩をぽんと叩いた。

 「3月7日にラグビーゲーム観戦しに行くけど、どうする?」 

 (即答)「もちろん、行く!幾らぐらいするの?」
 
 「20ドルぐらいかな」
 
 「そっか」
 
 「ラグビー好きかい?」 
 
 「イエス」<まともルールも知らんのやんけど> 

 どうやら細かいことは抜きとして、本場のラグビは面白そうだ。力強いプレイは、今まで見てきたものとは、迫力度がぜんぜん違う。あと、観客の熱狂度・熾烈度が高いのもいい。<もし負けてしまったら、次の日寝込んでしまう人までいるって?>

 その夜は、この国のラグビー文化について、いろいろとマザー、ダニエルから話を聴いた。

 ラグビーの持つ魅力、ラグビーと他のスポーツの関係など話が尽きない時間を過ごした。

 このとき、自分が熱狂的なファンになるとは、まったく思ってもみなかった。



 「本日は、いかがでしたか?

 長い時間を割いていただいた方にプレゼントです。

 今回は、生のカンタベリー・クルセーダースの試合の模様をご覧下さい。

 ニュージーランドには、『スーパー14』というプロリーグが存在します。

 そのうち、クライストチャーチを拠点にしているのがこのチームです。

 それでは、どうぞ。そして良い日曜日を、フッキーでした」
 
 スタジアムの歓喜



  
 ※ なお、当社の概要については、2007年9月28日の報告をご覧下さいませ。

 
 
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